長男次男を保育園に送って事務所。
お昼前に、事務所の大家さん宅に呼ばれた。
はなしを聞くと、床が汚れてきたため、汚れ落しをして保護塗料を塗ろうと思っているそうで、
業者の見積り金額と、工法の良否の相談だった。
お宅は築10年。
内装は、床はフロア合板、壁天井は石膏ボードにビニールクロスの普通の仕様。
ボクも工務店時代、設計事務所時代、独立後っと、たくさん設計した現在では、あたり前の仕様だ。
相談は床のフロア合板。
フロア合板とは?
新建材のなかまで、フローリングのように見える床材で、
12mmのベニヤ板にうすーくスライス(コンマ何ミリの世界)した木を接着して、ムクの木のフローリングのようにした床材のこと。
これはこれで長所もあるのだが、ボクはこういった○○に見えるものが好きではない。
しかし、現在の住宅では一般的な床材になってる。
製品の説明はこれぐらいにして、
メンテナンスの問題。
汚れはキッチンまわりの油飛びや水はねによる汚れ、
歩行による表面の磨耗、
直射日光による表面の劣化、
この3点。
工事内容は、汚れの剥離材を施工後、ウレタンなどのコーティング材の塗布。
経年による汚れなどには、効果があると思われるが、床材表面の磨耗や劣化にどれほどの効果があるのか。。。。。
ただ工期のことや予算のことなどを考えると現実的には、これが妥当かなぁ~っというところだと思った。
張り替えるにも、コンクリートスラブに接着貼りの床では既存フロアを剥がすのが困難。
既存床上に貼り増すにしても、巾木の再施工の手間、それと何と言っても既製品建具の問題。
既製品の建具では、建具のカットや敷居のやり替えが現実的には非常に困難だ。
建具屋さんに作ってもらう建具なら調整しやすいのだが。。。。。
フロアのメンテナンスにしても、
ムク材が使ってあれば、磨耗や表面の劣化は削ればキレイになる。
ほとんど一生ものなのだ。。。。。
もうひとつ重要なのが、新建材の家は、それぞれの部位ごとの劣化の程度に差があるということ。
床はボロボロなのに、壁のクロスは妙に白くて、まだキレイだったりと。。。。
こうなると、床の劣化にばっかり目がいってしまう。 当たり前だ。。。。
新建材でできた家は経年の変化に耐えられない。
いまさらながら、新建材のデメリットを再認識したような気がした。
今、流行の国が後押ししてる長期優良住宅も。。。。ほとんどの家が、こういった新建材のかたまりだ。。。。
なにをもって長期で。。。。なにをもって優良なのか。。。。
さっぱりわからん。
ボンセッケイの造る家では、家全体がおんなじように歳をとるように考えています。
年月が経てば、床のキズや汚れは当然つきます。 しかし、壁や天井もおなじように風合いを増していきます。
キッチンなどの設備についても同じです。
いつまでたっても汚れがつかず、そこだけピカピカなのは不自然なのです。
人間の感覚は不自然さに敏感で、カラダはその不自然を確実に認識します。
人にとってやさしく、そして、自然で力強い。
ボンセッケイはそんな家づくりを常に考えています。
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