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2009年10月29日 (木)

新建材。。。再考。。。

長男次男を保育園に送って事務所。

 

お昼前に、事務所の大家さん宅に呼ばれた。

はなしを聞くと、床が汚れてきたため、汚れ落しをして保護塗料を塗ろうと思っているそうで、

業者の見積り金額と、工法の良否の相談だった。

 

お宅は築10年。

内装は、床はフロア合板、壁天井は石膏ボードにビニールクロスの普通の仕様。

ボクも工務店時代、設計事務所時代、独立後っと、たくさん設計した現在では、あたり前の仕様だ。

 

相談は床のフロア合板。

 

フロア合板とは?

新建材のなかまで、フローリングのように見える床材で、

12mmのベニヤ板にうすーくスライス(コンマ何ミリの世界)した木を接着して、ムクの木のフローリングのようにした床材のこと。

これはこれで長所もあるのだが、ボクはこういった○○に見えるものが好きではない。

しかし、現在の住宅では一般的な床材になってる。

 

製品の説明はこれぐらいにして、

メンテナンスの問題。

汚れはキッチンまわりの油飛びや水はねによる汚れ、

歩行による表面の磨耗、

直射日光による表面の劣化、

この3点。

 

工事内容は、汚れの剥離材を施工後、ウレタンなどのコーティング材の塗布。

 

経年による汚れなどには、効果があると思われるが、床材表面の磨耗や劣化にどれほどの効果があるのか。。。。。

ただ工期のことや予算のことなどを考えると現実的には、これが妥当かなぁ~っというところだと思った。

 

張り替えるにも、コンクリートスラブに接着貼りの床では既存フロアを剥がすのが困難。

既存床上に貼り増すにしても、巾木の再施工の手間、それと何と言っても既製品建具の問題。

既製品の建具では、建具のカットや敷居のやり替えが現実的には非常に困難だ。

建具屋さんに作ってもらう建具なら調整しやすいのだが。。。。。

 

フロアのメンテナンスにしても、

ムク材が使ってあれば、磨耗や表面の劣化は削ればキレイになる。

ほとんど一生ものなのだ。。。。。

 

もうひとつ重要なのが、新建材の家は、それぞれの部位ごとの劣化の程度に差があるということ。

床はボロボロなのに、壁のクロスは妙に白くて、まだキレイだったりと。。。。

こうなると、床の劣化にばっかり目がいってしまう。 当たり前だ。。。。

新建材でできた家は経年の変化に耐えられない。

 

いまさらながら、新建材のデメリットを再認識したような気がした。

 

今、流行の国が後押ししてる長期優良住宅も。。。。ほとんどの家が、こういった新建材のかたまりだ。。。。

なにをもって長期で。。。。なにをもって優良なのか。。。。

さっぱりわからん。

 

 

ボンセッケイの造る家では、家全体がおんなじように歳をとるように考えています。

年月が経てば、床のキズや汚れは当然つきます。 しかし、壁や天井もおなじように風合いを増していきます。

キッチンなどの設備についても同じです。

いつまでたっても汚れがつかず、そこだけピカピカなのは不自然なのです。

人間の感覚は不自然さに敏感で、カラダはその不自然を確実に認識します。

 

人にとってやさしく、そして、自然で力強い。

ボンセッケイはそんな家づくりを常に考えています。

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コメント

 近所が建設ラッシュ!!小さな部落に今3軒住宅建設が進んでいます。
 あっという間に周囲の板壁ができましたがなんと四方をコンパネを全面打ち付け、それから窓になるところをくり抜くというこれが日本家屋の建築かと目を疑う工法におどろきました。
 私たちがイメージする家とは大違い、張りぼてと感じる物ばかり・・・。マルゲンさんのこだわる“家造り”の主張がもっと普遍化されるべきですねー。

住む人の都合ではなく、
建てる側の都合で、
効率化を進めていった結果です。
メーカーばかりが悪いわけではありませんが、家を消費財に変えてしまった責任は重大です。
 
こんな状況になっても、なおデザインのことにしか関心のない、われわれ設計者の責任も重大です。
 
地域の人々から、信頼されなくなった地場の大工の責任も重大です。
 
家づくりに無関心になってしまった建て主さんたちにも問題がないとは言えません。

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