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2009年7月23日 (木)

ふつうの家を造る4

朝いち ランニング。

コーヒー飲んで、ちょこっとストレッチして、

自宅~名城公園~お堀1周~名城公園半周~自宅の、お堀コースプラス。 40分。

 

長男次男を保育園に送って事務所。

 

 

”ふつうの家を造る” シリーズ。

4回目。

今日は、”木造のこと” ボンセッケイの設計方針について、

最重要部分かも~っ。

がんばって書きました。

あきらめずに最後まで読んでくださ~い。

 

 

③木造のこと

 

前節でも少し触れましたが、現在の木造は多様化しています。

構造にかんしては建築基準法でも規定されていて、法律的な解釈から木造を分類すると、おおむねこんな感じではないでしょうか。

1.軸組構法

2.枠組壁工法

3.丸太組工法

4.認定構法(プレファブ構法)

軸組構法を除いて他の工法は、細かく告示で規定されています。

 

ここでは、軸組構法に絞ってお話します。

軸組構法とは、建築基準法でいうところの木造にあたり、日本の伝統的な構法を指していますが、現在いろいろなタイプの軸組構法が存在します。

構造的な考え方の違いから、ボンセッケイでは、以下の3種類に分けて考えています。

伝統的な軸組構法

現代的な軸組構法

進化型の軸組構法

これに温熱環境のことなどを絡めると、さらに複雑になり、現実的には木造の専門家でないと違いがわからないようなところまで来ていると思います。

 

Photo

 

 

どうして軸組構法にいろんなタイプがあるのかというと、ちょっと説明が難しいのですが、

簡単に言うと、軸組構法は昔からある構法ですから他の構法ほど詳細な規定はなく、建築基準法で規定していない部分がたくさんあるのです。そのため、大枠は基準法に適合するようして、細かな部分は各々の考え方を反映させて設計している。 っといったところではないでしょうか。

 

伝統的な軸組構法

伝統的な軸組構法とは?

明治期ぐらいまで建てられていた軸組構法とします。

(“します” としたのには、論旨によって比較の対象が異なってくるからです。その時々によって多少前後するからです。)

現代の軸組構法とは、構造的にはまったく違った考え方の構法と思ってください。

まず、基礎がありません。

土台もありません。

スジカイもありません。

断熱材はありません。

金物もほとんどありません。

建物の足元は柱が石の上に乗っているだけで、土台も基礎もありません。 ましてや基礎の立ち上がり高さがどれだけなどという概念もありません。

壁にはスジカイはありません。 貫が水平に何本か入っていて、竹を割った小舞の上に泥を塗り込んで壁にしています。

軸組という名前のとおり、木材が巧妙に加工され組んであります。(現代の軸組構法は、加工を簡略化してあるため組んでありません。)

 

現代木造に必須な構造要素が無くて大丈夫なの? っと思われるでしょう。

個人的には、そこそこ大丈夫だったんじゃないかと思います。

でも、本当のところは、誰も知りません。

誰もきちんと解析していないからです。

明治中期の地震の被害から、スジカイを入れるべき、という方針に従って、伝統的な構法は顧みられることなく、現代軸組構法へと続いているのです。

これは、産業革命の時期と重なって、列強諸国に肩を並べるべし、という国策と無関係ではなかったと思います。

 

スジカイとは、低コストで作業性が良く、手っ取り早く耐力を期待できる構造要素です。

視点を変えれば、それだけ簡単に済ませられる工事ということです。

土台とは、大工のめんどうな作業を無くすため、手っ取り早く水平が出せるよう考案された構造部材です。

視点を変えれば、水がかりになる建物の最下部に腐食のリスクを犯してまで横向きに木材を並べるということは、仮設的な建物に使用すべき方法だったと言えます。

 

この仮設的な考え方に基づいた軸組構法は、地震のたびに補強を余儀なくされます。

スジカイの入った壁は固くて強いので、他の部材を壊してしまいます。

だから、

コンクリートで基礎を作って、その基礎にしっかり緊結しなさい。

スジカイは外れないよう、柱は抜けないよう金物でしっかり緊結しなさい。

その間にも、どんどん簡略化、省力化が進みました。

このような構造的な変遷を経て、伝統的な軸組構法は、現代的な軸組構法へ取って代わってきました。

 

おかしな話しですが、現在では、この伝統的な軸組構法で合法的に家を建てることは、構造的に非常に困難です。

この状況を憂慮してか、昨年度(2008)から国土交通省主導のもと、関係機関が伝統的な木構造の設計指針確立に向けて活動しています。

 

現代的な軸組構法

現代的な軸組構法とは、建築基準法の木造の規定を反映した軸組構法です。

どうゆうことかというと、

工学的な知見に基づいて整理された構造理念によってできた構法です。 軸組構法と言っていますが、伝統的な要素はあまりありません。

構造要素としては、

耐力壁(スジカイもこれにあたります)と水平構面(床版)が、重要な構造要素です。 そしてそれらを繋ぎ止める金物を使用します。

明治中期からのスジカイを使用するという方針に沿った耐力壁という考え方が根幹にあります。 近年では合板の普及とともに水平構面の重要性が説かれています。

この構法によると、

壁には、スジカイまたは面材(合板等)の耐力壁が必要です。 床は、水平剛性を高める硬い面材(合板等)が歓迎されます。 材木は、おもに鉛直荷重(上からの荷重)に対して対抗できればよく、断面を小さくできます。 木材断面が小さくてよいということは、構造材のコストを抑えることができるということです。 引張り力の大きいところは、金物でガチガチに補強すればよいので、軸を組む必要はまったく無いのです。

 

この考え方は非常に学問的で合理的です。 構法自体が悪いわけではありませんが、読んでいただいておわかりだと思いますが、職人の技能があまり必要でないのです。  見方を変えると、志の低い悪徳業者でも作れてしまうということです。 構法が進化すればするほど法的に規制せざるを得なくなってきます。 阪神・淡路大震災の被害では、これが現実になりました。

 

進化型の軸組構法

進化型の軸組構法とは、現代的な軸組構法を基本的な考え方とし、この構法の抱える問題点を見据え、独自に付加価値をプラスしたタイプと言えます。

工期短縮、施工精度の向上、現場コストの削減などを目指して、耐力壁や屋根構面を工場であらかじめ作ってパネル化しているもの。

環境負荷を減らしつつ、デザイン性、居住性も考慮する目的で、構造用合板やプラスターボードの使用を減らし、国産材パネルを使用しているもの。

木材の特性を生かした高性能な金物を使用することで、木材を痛めることなく施工できるようにしているもの。

などが挙げられます。

 

ボンセッケイでは、基本的な構造理念は現代的な軸組構法の考え方を取り入れ、耐力要素も含めて、随所に伝統的な要素を取り入れて設計をしています。

その一方で、常に客観的に市場動向を見て、新しい構法を検討しています。

よりよい木造を、特別なものではなく、無理なく当たり前に造ることができるよう最善を尽くしています。

 

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