ふつうの家を造る7
バテ気味なので、ゆっくり目の朝。
朝ランはなし。
長男次男を保育園に送って事務所。
”ふつうの家を造る” シリーズ。
7回目。
ボンセッケイの家づくりの方針について。。。
見えてきたでしょうか?
今回もがんばって書きました。 熟読あれ。
⑥屋根のこと
ボンセッケイでは、
屋根の役割とは、降雨を受け流すこと、外壁への雨がかりを少なくすること、太陽の直射を遮ること、心理的に安心感をもたらすこと、だと考えています。
降雨を受け流すこと
水溜りになる要素を極力無くすように計画します。 雨を受けて流すということは、受け流す面に勾配を付けるということで、必然的に勾配屋根になります。 そして、その勾配屋根は、屋根をつたった雨が外壁にかからないように、ある程度ひさしとして外壁から出っ張ります。 特に住宅では耐久性を考慮するため、なるべくフラットな屋根にならないように、そして、なるべくひさしが出っ張るように計画します。
外壁への雨がかりを少なくすること
勾配屋根は延ばして、ひさしを出っ張らせ、外壁に雨がかからないようにします。 外壁に水がつくということは、家の耐久性を落すことにつながるからです。
私たちが暮らしている地域は雨の多い地域です。 昔から外壁が雨がかりにならないよう工夫してきました。 屋根を延長して、ひさしを延ばすことは、雨から建物を守ることに一役買っているのです。 そのためにも三角の勾配屋根は理にかなっているのです。
太陽の直射を遮ること
夏期の高温多湿を、快適に過ごすために、屋根はひさしを延ばして太陽の直射を遮る役目も果たしています。 合理的で機能的な環境制御装置なのです。
心理的に安心感をもたらすこと
三角の屋根はシンボリックで、かつ形状の安定感から、外部からは住まい手に安心感を与えます。 また、内部からは屋根から延びたひさしが室内から窓上に見えて、常に包まれた感覚を与え安心感をもたらします。
⑦外壁のこと
ボンセッケイでは、
外壁の役割とは、まずは屋根と同様に、降雨を受け流すこと、そして、風を通さないこと、十分な強度を持っていること、湿気を通すこと、だと考えています。
降雨を受け流すこと
壁面に降りかかった雨を、なるべく壁の内部に侵入させることなく壁面をつたわせて地面に落すことです。 ここで、“なるべく侵入させない” と書いたのは、雨水の浸入を想定した設計をしているからです。
外壁の隙間という隙間にコーキング処理を施して雨水の浸入を防いだつもりでも、外部に使用するコーキングの寿命は5年ほどです。 寿命の尽きたコーキングは正常に機能を果たすことができません。
ですから、コーキングが正常に機能することを前提にした設計は非常に危険です。 ボンセッケイでは、コーキングの役割というのは、あくまでも補助的なものとするように心がけて設計します。
風を通さないこと、十分な強度を持っていること
当たり前のことですが、すきまのないことです。 そして、台風時の風圧力に耐えられることです。
建物の耐力というと、ついつい地震力に対しての耐力を思い浮かべてしまいますが、風圧力に対抗できることも同じぐらい大切なことなのです。 仕上げ材についても同じなのです。
湿気を通すこと
断熱の項でも述べましたが、ボンセッケイでは、湿気をなるべく通す構造とします。 ですから、外壁の仕上げ材も基本的には同じ考え方をします。
室内で発生した水蒸気が、壁の内部を通って外部までスムーズに排出できるように設計します。
外壁の材料としては、セメント系の透湿抵抗の高い外壁材はお勧めしていません。
なぜなら、
その材料を使うがために通気工法やコーキング処理を行わなければならないこと、塗装工程が発生することで、コスト面でもメンテナンス面でもメリットがないからです。 また、なるべく工業製品を使わない、人の手しごとを感じられる家づくりをする。 というボンセッケイの設計方針にそぐわないということも、理由のひとつです。
ここまで、屋根と外壁という外装材について論じてきました。
ボンセッケイでは、
屋根材については、瓦葺きや金属板葺きを採用しています。
外壁材については、板張りや金属板張りを採用しています。
予算と性能と、メンテナンス時期を十分考慮した上で、デザイン的な側面を付加し、材料や施工方法を決定しています。
常に、新築時の導入費用とメンテナンス時の費用を念頭においてコストバランスを考えて設計するよう心がけています。
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8月初め初めての富士登山を申し込みました。安易に構えていたら生半可なことでは命に関わるとのこと。一番は登山でかいた汗をいかに外へ放出するかが生死を分けると脅されています。通気性のない工事用の雨合羽では駄目とのこと。
家造りもいかに屋内と屋外とが上手に呼吸できるかが生死を分けるんですねー。
投稿: isa | 2009年7月30日 (木) 22時23分
山遊びには多かれ少なかれ登山の知識が必要です。
歩き、自転車、バイク、自動車、どうやって入山するかの違いはあっても、
常に最悪の万が一を覚悟して、起こりうることすべてが自分の責任だという認識が必要だと思います。
装備については、登山の装備を基準に考えます。
丸裸の人間が自然と対峙するという意味で一番過酷なのが登山で、装備の差が一番出ます。
遊びも大変ですね~。
投稿: 源太郎 | 2009年8月 4日 (火) 09時18分